こだわるほど質を高める道具の話(その2)

ハルクロスの「はる」です!

今回は職人にとってもっとも身近で大切な存在である腰道具について、私のこだわりをご紹介します。

壁紙を張るために必要な道具というのはある程度決まっていますが、使い方や道具の素材、形状、サイズ、重量、質感などによって壁紙の施工品質に大きく影響を与えます。

例えばカッターひとつでも柄の長さや刃の厚みなどさまざまな種類があって、それぞれに切れ味やコシが違うので、壁紙の素材や下地の状態によって相性が合う合わないということもあります。

それぞれの道具の役割と仕上がりへの影響を交えながらご紹介していきます!

カッター

壁紙を切るための道具でみなさんが特にこだわる道具のひとつです。

見た目は市販のカッターと大差ないですが切れ味は全く異なります。

貝印かオルファのどちらかを使う職人さんがほとんどですがどちらもプロ仕様になっています。

替刃の交換頻度を減らすために本体が市販のものよりも少し長めに作られていたり、替刃自体も鋭角になっています。

刃の厚みは0.2mm、0.3mm、0.38mmなどがあり、薄ければ薄いほど力が伝わりやすく切れ味がアップします。

刃が薄いとブレやすくなり扱いが難しくなるので下地の影響を受けやすい張り替え現場では刃厚は厚めの方が良さそうといえます。

私は0.38mmの刃を使っています。

カッターは2本持っていて、壁紙をカットする通常用のカッターと、ジョイントカット専用のカッターがあります。

ジョイントカットはとても繊細な作業で、カッター本体や刃に糊がついたりすることで切れ味が落ちると途端にジョイントが汚く見えてしまうため、少しでもカッターの状態をよくするために使い分けをしています。

定規

壁紙と壁紙をジョイントするために使う道具です。文房具として目にする定規のような目盛りはついておりません。

壁紙同士が重なる箇所に定規をあてて、定規に沿ってカッターをいれていきます。

定規を使う職人さんと定規を使わない職人さんがいらっしゃいます。定規を使わない職人さんは前回ブログでご紹介した地ベラを使ってジョイントします。地ベラを寝かせるようにして壁紙にあてて定規代わりにします。

私は断然、定規を使った方が良いと考えています。見映えの良さが全く異なるからです。

理由は2つあります。

1つめは小口がブレずに真っ直ぐ入るからです。定規に添えて刃を入れるので、定規側面に合わせて均一な角度でカットすることができます。一方で地ベラの場合は1mm前後の地ベラの厚みに添わせることになるので手の角度や力加減によって小口がブレてしまう恐れがあります。

2つめは押さえがしっかり効くからです。定規は面で壁紙を押さえることができるのに対し、地ベラは先端の線で壁紙を押さえることになります。壁紙がたわんだ状態のままカットする恐れがあり、そのままいくとジョイントが開いたり被ったりする原因になります。

ちなみに私が使っている定規はアシンメトリータイプで、定規の左右の厚みが異なっています。これにより壁紙が重なっている箇所にあてた時に定規が壁に対して垂直になるため、より綺麗な小口をつくることができます。

ローラー

最後にジョイントした箇所を押さえるのがローラーの役割です。

形状は掃除用のコロコロを10分の1くらいのサイズにしたものを想像ください。

ローラーもさまざまな商品があります。

素材は大別すると樹脂でできた硬いタイプかウレタンのゴムのように柔らかいタイプがあります。壁紙の硬さに合わせて使い分けると良いです。

サイズは直径35mmのものがほとんどですが幅が40mm〜75mmくらいまであります。

このあたりは好みになってきます。私はもともと40mm幅のローラーを使っていましたが、途中から60mmローラーに変えました。

あとはローラーの直径が左右異なるタイプのものがあります。ローラーが円柱ではなく円錐台になっていてテーパーローラーという名前がついています。

テーパーローラーはローラーをかけた時に壁紙が片方に寄っていく力がかかります。そうすることでジョイントを開きにくくしているのですが個人的には手で直接押さえながら加減をしたいので通常の円柱タイプを使っています。

ハルクロスは福山市を拠点に西は尾道市、東は倉敷市まで展開する壁紙クロス施工職人です。

歴30年の親方(義父)と共に大手ハウスメーカーの賃貸物件を貼り替えたり、地域工務店の専属職人として木造住宅の増改築を手がけております。

貼り替えに特化して、施工実績は年間80〜90件。壁紙のお困りごとがあればぜひお気軽にご質問ください。まずはオンラインで無料お見積りからどうぞ!