クロスの糊の話

ハルクロスの「はる」です!

今回はクロスの糊について深堀りしていきます!

お客さまからすると、目に入らない部分になりますので少しイメージしにくいかもしれません。

ただ、糊が違えば施工した壁紙の品質も数年単位で大きく変わっていきますので、ぜひこの機会にクロス糊を知っていただき業者選びのポイントのひとつとしていただければと思います。

そもそもクロス糊とは

そもそもクロスの糊とは何でしょうか?

意外なことにクロス糊は身近な存在であるデンプンでできています。

小学校の図工で使う糊が同じくデンプン糊です。

お餅をついた時のあの粘着性を使ってクロスを壁に接着しています。

主にデンプンと水、そして両者をうまく馴染むように調整する酢酸ビニル樹脂エマルジョンという成分が含まれています。

水が蒸発するときに接着力が生まれますのでクロス糊が乾き切っていないうちは壁に張ってある壁紙も触るとわずかに動きます。

ですので私からお客さまにいつもお願いしていることとして、施工後2日程度は壁紙を触らないようにとお伝えさせていただいております。

酢酸ビニル樹脂エマルジョンが含まれていることによってクロス糊は紫外線にあたると黄ばんだり黒ずんだりする特性があります。

壁紙を張ったあとに枠周りなどについた糊をスポンジなどで拭き取っていくのですが、この拭き取りが甘いと糊が残っている箇所が数年後に黄ばんだり黒ずんだりしてきます。

今回のブログのサムネイル画像が実際に糊が黒ずんでしまった様子です。

先日施工した現場の天井付近がこのようになっていました。

天井を張るときにクロスの糊が壁に付着して、それをスポンジで軽く拭き取った型までもがはっきりと残っています。

こうならないようにするためにしっかりと糊を拭き取っておく必要があります。

クロス糊へのこだわり

私が使っているクロス糊は業界でもっとも使われている一般的な商品ですが、季節や天候、下地の種類などによって糊の濃度や塗布量を調整したり、添加物を加えたりしています。

いつも仕入れるクロス糊はデンプンの塊のような原液でそこに水を加えながら希釈していきます。糊に加える水の量によって濃度調整ができます。

規定の希釈量を守りつつ、わずかに水を少なくしたり増やしたりしています。

夏場の暑い時期や冬の乾燥したお部屋ではクロスの糊が乾くスピードが早いので糊を濃くします。

糊の水分を吸い込んで伸びたクロスが収縮していくときにジョイントが開くので、収縮する前にガッチリ固定するためには濃いめの糊が良いと考えています。

吸水性の悪そうな下地にはボンドを混ぜたり、石膏ボードにカビが侵食しているときには追加で防カビ剤を混ぜたりすることもあります。

糊だけじゃない!気を付けるポイント

先ほど、糊が残っていると変色の要因になると述べました。

糊の拭き残しを防ぐためには水の温度にも注意が必要です。

スポンジを水につけて湿らせてから糊を拭き、マイクロファイバーで水気を拭き取るのですが水の温度が低すぎるとスポンジで拭いてもなかなか糊のヌメリが取れません。

一般的に水道水の平均温度は17度と言われています。

体感的には15度を下回ると糊が拭き取りにくく感じるようになるので、私の場合は11月から4月にかけて「投げ込みヒーター」というバケツに入れて水を温める器具を使います。

暖かい水で確実に糊を落とし、数年後も綺麗が続くように心がけています。

ハルクロスは福山市を拠点に西は三原市、東は倉敷市まで展開する壁紙クロス施工職人です。

歴30年の親方(義父)と共に大手ハウスメーカーの賃貸物件を貼り替えたり、地域工務店の専属職人として木造住宅の増改築を手がけております。

貼り替えに特化して、施工実績は年間80〜90件。壁紙のお困りごとがあればぜひお気軽にご質問ください。まずはオンラインで無料お見積りからどうぞ!